ご挨拶

この度、第43回関東・甲信越支部学術大会の大会長にご推挙頂きました勝山英明です。
COVID-19は多大な影響を与えましたが、落ち着きを見せ始め、松本での第42回大会は久しぶりの参集型の大会となりました。盛り上がりはやはり、オンラインと違うと皆さんお感じになったのではないでしょうか? 

今回は大会のメインテーマを“グローバルスタンダードのインプラント治療とは”に掲げ、現在の先端インプラント治療のコンセンサスまた将来像を模索する予定です。コロナ渦の3年間は日本と海外との交流もほぼ途絶え、経済のみならず様々な観点から日本が孤立した状態になってしまっていることが明らかになってきました。学会としてもインプラント治療の安心と安全を国民にアピールすることを一つの重要なテーマとして掲げていますが、海外ではこういった話はほとんど出てきません。それは、インプラント歯学およびインプラント治療がすでに社会的にも高い評価を受けており、認知されているということによります。例えば、人口10,000人あたりのインプラント埋入本数は欧米先進諸国の3〜5分の1というデータもあり、海外と比較してまだまだ普及しているとは言い難い状況です。一方、失敗例も多く報告されており、インプラント治療の専門性の欠如が大きな問題あると考えられます。今後、専門医制度を的確に進めていくためにもエヴィデンスベースのインプラント治療を日本国内において確立していく必要があります。その為のインプラント臨床の教育およびトレーニングを行うのはやはり日本口腔インプラント学会が中心に行う必要があります。

本大会においては、グローバルで注目を集めているいくつかのテーマにフォーカスを当て、学会の著名な先生方にご講演・論議頂きます。特に、デジタルテクノロジーの応用においてはハードウエアーからソフトウエアー中心への方向性を確認する必要があります。また、無歯顎患者における治療オプション、即時アプローチ、様々な難症例への解決策、審美部位へのアプローチの到達点について検討していきます。歯科医師のみならず、パラデンタルスタッフ向けのセッションも用意し、チームアプローチであるインプラント治療を強化できるようなプログラムを企画して参ります。この魅力的な大会に関東・甲信越支部会の会員のみならず、多くの方々のご参加をお待ちしております。

会長

みなとみらい (MM) インプラントアカデミー 研修施設長
勝山 英明